キッチンから生まれるコミュニケーション

(2020年12月05日)

かつて日本の住宅では、屋外の地面と同じ高さに土を固めた土間と玄関があり、この土間で炊事をするのが一般的でした。その後、1950年代に入り、大きな変化が生まれます。戦後日本の復興に向けて、日本住宅公団(現 都市再生機構)が、住宅難の解消のため、集合住宅の建設を開始しました。この集合住宅には、西洋式の食卓と椅子の隣にキッチンを配置したダイニング・キッチン(DK)が採用され、単に調理をする場としか考えられていなかった台所(キッチン)が、食事をする空間(ダイニング)と一体となったのです。その後、さらにリビングとも一体化されたLDK(リビング・ダイニング・キッチン)というコンセプトが誕生しました。かつては炊事をするための独立したスペースだったキッチンは、家庭内で家族が多くの時間を過ごす住まいの中心へと移り変わっていったのです。

キッチンの変遷には、女性の社会進出が大きく関連していると考えられます。日本では、女性の就業率が高まり、共働き世帯が専業主婦世帯数を上回るようになりました¹。 従来、日本では「家事は主婦が行うもの」という考え方が一般的でした。しかしながら、共働き世帯が増加し、夫が外で働き、妻が家事・育児に専念するという伝統的な分業意識に囚われず、「家事は夫婦が協力して行うもの」と考える人が増えつつあります。

LIXILが行った夫の家事参加に関するアンケート²によると、夫が平日に毎日もしくは週3日から4日、料理や食事の片づけをする割合は45.8%、休日に限ると毎週もしくは月2回から3回と回答した割合は64.5%と半数以上に高まります。年齢別にみると、20代が最も高く、70%以上の男性が平日毎日もしくは週3回以上、夫が料理や食事の片付けを行うと回答しています。一方で、50代の家事参加の比率が最も低く、世代間の意識の違いが浮き彫りとなりました。

また、料理に対する社会意識の変化もあります。料理はとても創造的な行為であり、「しなければいけないもの」と考えるのでなく、「楽しむための行為」として捉えられるようになっています。先のアンケートでも、家事に参加する夫の理由として、「共働きだから」を挙げた人が約30%と最も高い割合を示しましたが、一方で、5人に1人が「料理が好きだから」という理由を挙げています。従来、妻だけが使う閉じられたスペースだったキッチンは、夫婦や家族で料理も分担する時代となり、住まいの中心にある開かれた場所となってきたのです。

オープンキッチンにはさまざまな種類があり、家族のライフスタイルや価値観が反映されています。建築家の西田司氏は、「キッチンは人が交差し、集まり、コミュニケーションが生まれる場所」だと言っています。西田氏の設計によるオープンキッチンの実例①を見ると、キッチンが家の中のどこからでも見えるように配置され、コンロもシンクも2つずつあり、料理をしながら家族とのコミュニケーションが取りやすく設計されているのがわかります。もう1つの事例では、リビングとダイニングの間、つまり、人の動線が交差するところにキッチンが置かれています。ここでもやはり、キッチンを中心とした家族のオープンなコミュニケーションが重視されています。

LIXILの歴史が創り出したキッチン、LIXILのテクノロジーを凝縮したセラミックトップを知って欲しいと思います。様々なキッチンメーカーや家具メーカーがキッチンを作っていますが、LIXILには敵わない。その技術、魅力は、歴史が創り出した賜物だと、私たち相川スリーエフスタッフは感動しています。

キッチンの最高峰をご紹介します。LIXILリシェルsi
https://www.lixil.co.jp/lineup/kitchen/richelle/

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