11月2025

渋谷区の傾斜地:RC × 木造 混構造で描く、夢の邸宅(2025年11月12日)

傾斜地を生かす、建築という芸術。

渋谷区には傾斜地が多い

 

― RC × 木造 混構造で描く、夢の邸宅 ―

傾斜地を不利と考える人は多い。だが私たちはそこに“美しい余白”を見る。地形に抗わず、むしろ抱きかかえるように建てることで、住宅は自然と一体となり、街の中で静かに浮かび上がる。今、私たちが構想しているこの邸宅は、そんな思想をもとに生まれつつある。低い位置にはRC造のガレージを設け、その奥を半地下空間として活用する。地中の静けさを味方にした趣味の部屋、ワインセラー、あるいは映像の世界に沈み込むシアター——その使い方は住まう人の感性次第だ。半地下の奥からは直接住宅へと入ることができ、雨の日でも傘を差さずにリビングへとつながる。この動線の合理さと美しさが、まさに邸宅の品格を形づくる。ガレージの上に重なる2階部分は木造で、空へと伸びるような軽やかさを纏う。1階RCと2階木造の混構造。強さと柔らかさ、硬質と温もり——この二律背反の調和こそ、私たちが追い求める理想のかたちである。

計画段階のスケッチはすでに息づいている。コンクリートの陰影と樹々の緑が交わり、光と影が移ろうたびに表情を変える外観。無駄を削ぎ落とした直線の構成美が、周囲の街並みに静かな緊張感を与える。分譲住宅が“量産の合理”を体現するものならば、この家は“個の表現”として生まれる。土地の傾斜がそのままデザインの起点となり、建築が地形と呼応して完成していく。設計の打ち合わせでは、どの窓からどんな風景を切り取るか、どの時間帯の光を室内に招き入れるか——そんな会話が続く。間取りを決めるというより、人生を描くような時間だ。ひとつひとつの線が、未来の記憶になるように。私たちは図面を重ねるたびに、住まいの輪郭の中に“人の物語”を見出していく。

そして私たちは確信している。傾斜地を生かした住宅こそ、最も自由で、最も美しい建築の舞台である。1階をRCで支え、上階を木造で包むことで、地震や豪雨に強く、季節の光や風を柔らかく受け止める。堅牢さと詩情、構造と感性が響き合う家。その姿は単なる「豪邸」ではなく、人生を包み込む作品そのものだ。私たちが描くのは、土地の制約を超え、住む人の心の風景に寄り添う邸宅である。
傾斜地という舞台に、ひときわ静かに、確かな存在感を放つ家。
それは、夢を語るように生まれ、語り継がれていく建築である。

この邸宅はクライアントと上記の内容を語り合い、少しづつ理想のカタチに近づけている段階。

これから更に理想の邸宅が描かれて、実施設計に入ることになる。

土地から探すクライアントには、土地探しから関わらせていただきたい。

なぜなら、土地には様々な制限がある。それを知った上で設計に入れるから。

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