Smart Home / IoT House
IoT住宅とは何か。何が便利で、どう設計し、いくらかかるのか。
最近よく耳にする「IoT住宅」。
でも実際は、何ができて、何が変わって、どんな家がベストなのか。
ここでは、家づくりを本気で考える人が“そのまま判断材料にできるレベル”で、
仕組み・メリット・設計の考え方・新築/リフォームの違い・費用感まで、まるごと整理します。
- 便利さ
- 安心
- 省エネ
- 設計思想
- 新築/リフォーム
- 費用目安

1. IoT住宅とは?
まず、IoTとは Internet of Things(インターネット・オブ・シングス)=モノのインターネット の略です。
言い換えると、
家の設備や家電がインターネットにつながり、賢く動く家
それが IoT住宅です。
エアコン、照明、給湯器、太陽光・蓄電池、玄関ドア、窓シャッター、防犯カメラ、センサー、掃除ロボット――
こうした“家の中のモノ”がつながり、スマホやAIで制御できるようになることで、暮らしの質が一段上がります。
2. IoT住宅でできること(便利さの正体)

■ 外出先から家を操作できる
帰宅前にエアコンをONにしたり、雨風の予報に合わせてシャッターを閉めたり、
外出中に照明や鍵の状態を確認したり――スマホ一つで家全体をコントロールできます。
■ 家が自動で動く(シーン/ルール)
IoT住宅の真価は「自動化」にあります。
例えば、
- 朝:決まった時間にシャッターが開き、照明が点き、給湯器が動く
- 外出:玄関の施錠に合わせて冷暖房・照明が省エネモードに
- 就寝:照明が消え、シャッターが閉まり、玄関が施錠される
- 温湿度や人感センサーで、自動換気・自動空調・自動照明
“何もしなくても、生活が整う”。これがIoT住宅の体験価値です。
■ 見守りと防犯
玄関の開閉履歴、カメラ、窓センサーなどが家族を守ります。
共働き家庭の防犯ニーズや、子ども・高齢の家族・ペットの見守りにも役立ちます。
■ 電気の“見える化”と省エネ
HEMS(ヘムス)というエネルギー管理システムで、太陽光・蓄電池・エアコン・給湯器を賢く運用。
光熱費の削減はもちろん、停電時にも電力を最適配分できるため、災害にも強い家になります。
3. IoT住宅は何を目指しているのか(目的)
IoT住宅の本質は 「家のOS化」 にあります。
単なる便利家電の寄せ集めではなく、家そのものが“暮らしに合わせて振る舞う”よう設計していく考え方です。
- 生活操作の手間をなくす(毎日の小さな自動化が積み重なる)
- 安心・安全の強化(防犯・見守り・異常検知)
- 光熱費の最適化(見える化と自動制御)
- 災害に強い家づくり(太陽光×蓄電池×HEMS)
- 家族にフィットした住環境の自動調整(温熱・生活リズム・健康)
つまり、IoT住宅とは “人に合わせて動く家” をつくる技術です。
4. 国の施策・補助金はあるのか
IoT住宅そのものへの単独補助金は多くありません。
しかし、IoTと一体で進む ZEH/HEMS/太陽光/蓄電池/断熱強化 などには強い支援があります。
国としては、
「エネルギーを賢く使える家=IoT+省エネ+高断熱」
を本命として推進していると考えると、全体像が掴みやすいでしょう。
5. 仕組みの全体像(道路・車・交通管制)
IoT住宅がややこしく感じるのは、規格(道路)と機器(車)と制御(管制)が別レイヤーだからです。
ここを押さえると、メーカーの違いに振り回されなくなります。
■ 道路=通信規格
- ECHONET Lite(エコーネットライト)
日本の住宅設備・エネルギー機器をメーカー横断でつなぐ標準規格。
エアコン・給湯・太陽光・蓄電池など“家の骨格”を束ねる道路です。 - Matter(マター)
Apple/Google/Amazonなどが推進する世界標準規格。
照明やロック、センサーなど“暮らしのガジェット”を横断接続する道路です。
いまの時代は、
エネルギー設備はECHONET Lite、生活ガジェットはMatter
と使い分けて考えると整理しやすいです。
■ 車=IoT機器・住宅設備
LIXIL、パナソニック、ダイキン、三菱電機、太陽光・蓄電池メーカー、海外スマートデバイス各社…。
車メーカーはバラバラですが、“道路(規格)”が共通なら連携できます。
■ 交通管制センター=ハブ/アプリ
HEMSコントローラ、住宅メーカーの専用アプリ、Google Home/Alexa/Apple Homeなどが、
道路を走る車たちをまとめて動かす“管制センター”の役割を担います。
6. ハウスメーカーは何を売りにしているか
主要ハウスメーカーは皆、IoTを「家の付属品」ではなく、
暮らしのOS(統合システム)として提案し始めています。
共通しているのは、
「エネルギー × 防犯/見守り × 快適性」
をセットでワンアプリ化する方向性です。
つまり“便利さだけ”ではなく、家そのものの価値(安心・省エネ・健康)を底上げする戦いが起きています。
7. メーカー同士の組み合わせ方
一番大事な実務ポイントは、「規格で合わせる」ことです。
■ 組み合わせの原則
- 住宅設備・エネルギー設備(空調/給湯/太陽光/蓄電池など)→ ECHONET Lite対応機器を優先
- 照明/ロボット掃除機/センサーなどの生活ガジェット → Matter対応を優先
こうしておけば、メーカーが違っても一つの家として連携でき、将来の拡張もラクになります。

8. 新築の最適設計
新築は、配線や設備選びの自由度が最大です。
ここで思想が決まると、後の暮らしが一生ラクになります。
■ 設計の順番(鉄板)
- 目的を決める(省エネ/防犯/家事自動化/見守りなど)
- ネットワークを設計(Wi-Fi/有線LAN位置・容量)
- HEMS・スマートホームの基盤を決める
- 連携できる設備を選ぶ(空調・給湯・太陽光・蓄電池・鍵・シャッターなど)
- “誰でも使えるシーン”を設計(朝/外出/帰宅/就寝/災害時)
IoTは後付けでもできますが、
新築段階で仕込むほど、スマートで美しく、使い勝手も格段に上がります。
9. リフォームの最適設計
リフォームの場合は「全部をいきなりスマート化しない」ほうが成功します。
壊さず、配線を増やさず、部分最適から始める。
これが鉄則です。
■ 後付けで効果が大きい順
- スマートロック/電気錠(体感価値が大きい)
- 見守り・防犯(カメラ/窓・人感センサー)
- スマートリモコン(赤外線家電の統合)
- 照明・空調のIoT化
- HEMS(可能なら分電盤更新とセットで)
部分導入でも生活のストレスは驚くほど減ります。
まず“困りごと解決”から始めて、必要に応じて広げていくのが最短ルートです。
10. 費用の目安
■ ライトなIoT化(リフォーム向け)
- スマートロック:3〜10万円+工事
- カメラ/センサー:1〜5万円/台
- スマートリモコン:1〜2万円
- IoT照明・スイッチ:数千円〜数万円/回路
→ 合計5〜30万円で“生活が変わるレベル”まで到達可能です。
■ エネルギーまで本格統合(新築/大規模改修)
- HEMS(本体+工事):15〜25万円〜
- ネットワーク専用設計(Wi-Fi/有線LAN):5〜20万円
- 鍵・シャッター等の電動設備:数十万円〜
- 太陽光+蓄電池:200〜400万円規模
- ZEH仕様上乗せ(断熱/高効率設備含む):数十万〜数百万円
→ フルIoT×ZEHを狙う場合、追加300〜600万円級が目安。
ただし補助金や光熱費削減、資産価値上昇と合わせて回収設計が可能です。
※当然のことですが、全窓に高級電動シャッターを設置したり、照明器具や空調設備のグレードを上げるなど、IoTのデバイスではなく、設備そのものをグレードアップすれば、その費用は加算されます。じっくり、ゆっくり決めましょう。
11. 相川スリーエフが考える「IoT × デザイン」の家づくり
当社はLIXILの代理店です。LIXILのIOTを主軸に当社が住宅全体をサポートします。新築、リノベーション、どちらにも対応します。
LIXILのスマートホーム統合システム「ライフアシスト2」公式ページはこちら:
https://www.lixil.co.jp/lineup/smarthome/lifeassist2/
IoT住宅は、便利さだけを追求すると“機械的で味気ない家”になりがちです。
でも本来、IoTの役割は 「家族らしい暮らしを、自然な形で支えること」 にあります。
相川スリーエフでは、
- RC住宅・木造住宅の高い設計力
- 自然素材やデザイン性の高い内装計画
- 断熱・窓・空調の専門知識
- IoT設備の最適な組み合わせ提案
これらを一体で扱えるため、
“美しく、合理的で、賢い家” を、お客様の暮らし方に合わせてつくることができます。
IoTは“後付けの便利機能”ではありません。
家の性能・暮らし方・デザインと一緒に考えることで初めて、
「ひとつの完成した住まい」として機能します。
相川スリーエフは、
IoT・デザイン・断熱・窓・家全体の性能を一体で設計し、
お客様ごとに最も合ったIoT住宅をご提案します。
メーカーの枠に縛られず、必要な設備だけを適切に組み合わせる。
そのうえで、ムダがなく使いやすく、美しくまとまった家をつくる。
これが、当社が考える“合理的なIoT住宅”の姿です。
12. まとめ
IoT住宅は、単なる“家のハイテク化”ではありません。
- 家事がラクになり
- 防犯が強化され
- エネルギーが最適化され
- 家族が快適に暮らし
- 災害にも強くなる
そして何より、
家があなたの生活に自然に寄り添って動くようになる。
それを本当の意味で実現できるのは、設備だけでなく家づくり全体を理解した工務店・設計会社です。
相川スリーエフは、世田谷区を中心とした東京都、首都圏エリア全域で、高性能住宅・IoT・デザインを掛け合わせ、
「未来の当たり前」を先取りした住まいをご提案します。

