築古ビルに、
第二の新築を。
相川スリーエフは、既存の躯体を生かしながら、
窓・ファサード・内装・設備・用途を再構築する
「既存ビル再生事業」への取り組みを始めます。
東京には、築後50年前後を迎えた中小規模のビルが数多く残されています。
外観は古く、断熱性や設備性能も現在の水準には届かない。
しかし、その建物が立つ場所には、現在も高い都市価値が残っていることがあります。
大規模再開発の区域から外れた日本橋浜町などの都心周辺部にも、
交通利便性や周辺環境に恵まれながら、
築年数だけで十分に活用されていない建物があります。
すべてを解体し、ゼロから建て替えることだけが答えなのでしょうか。
構造躯体を調査し、必要な耐震補強を行い、
高断熱の窓と新しいファサードを与える。
内部は現代の需要に合わせてコンバージョンし、
新しいテナントを迎えられる空間へ変える。
私たちが目指すのは、表面だけを整える改装ではありません。
古い建物の性能、印象、使い方、そして事業価値までつくり直すことです。
残すべきものを残し、古い建物に新しい価値を実装する。
それが、相川スリーエフの考える「第二の新築」です。
一棟の築古ビルは、ここまで変えられる。
下の画像は、角地に立つ5階建ての築古ビルを想定した再生イメージです。
茶色いタイルと古いアルミサッシで構成された昭和期の外観を、
マットブラックの断熱窓と金属幕板によって再構築。
さらに、建物を斜めに横断する立体的なデザインパネルを重ねることで、
南青山や銀座の商業建築を思わせるファサードへ転換しています。


※画像は既存ビル再生事業の構想を表現したイメージパースです。
窓を替えるだけでも、外壁を覆うだけでもない。
この事業の中心にあるのは、
窓、断熱窓やアルミカーテンウォール、金属幕板、デザインパネルを
別々の製品として扱うのではなく、
一つの「建物外皮」として設計・製造するという考え方です。
断熱性能を高める
高断熱の窓やカーテンウォール、Low-E複層ガラスなどを組み合わせ、
古い建物の弱点になりやすい開口部と外皮の性能向上を図ります。
都市の表情を変える
アルミやステンレスなどの金属幕板により外観を再構成。
素材、割付、陰影、光の反射まで含めて建物の印象を設計します。
建築に個性を与える
穿孔、切り抜き、折り曲げを組み合わせたデザインパネルによって、
一棟ごとに異なるファサードをつくります。
デザインパネルには、幾何学模様、企業名、ロゴ、文字、
地域に由来するモチーフなどを表現できます。
日中は金属の陰影が建物の立体感を強め、
夜間は室内照明や外部照明が切り抜き部分から漏れることで、
昼とは異なる表情をつくり出します。
これは外壁を隠すための化粧材ではありません。
建物の環境性能と都市に対するデザイン性を、
一つの外皮の中で成立させるための建築部材です。
そのデザインを、柏でつくる。
この事業を展開するための重要な製造拠点が、
相川スリーエフの柏テクニカルセンターです。
私たちは、断熱サッシ、カーテンウォール、金属幕板、
そしてデザイン性の高い建築パネルを製作するため、
製造設備とデジタル加工環境を刷新します。
ドイツ製CNCサッシ加工機
CAD、CAMのデジタルデータに基づき、アルミ形材の穴あけや切削などを高精度に加工。
高性能窓やカーテンウォールの安定した製作を支えます。一つひとつのアルミ形材にはバーコードが発行され、切断から加工までを自動化します。
ドイツ製アルミ形材切断機
サッシやファサードを構成するアルミ形材を正確に切断。
CNC加工と組み合わせ、設計データから製造工程への連携を進めます。
シャーリング・ベンディングマシン
金属板の切断と曲げ加工により、幕板、見切り材、
コーナー部材、立体的な外装パネルなどを製作します。
パンチ・レーザ複合加工機
パンチ加工とレーザ加工を組み合わせ、
金属板に文字、ロゴ、幾何学模様、自由形状などを表現。
建築に固有の表情を与えるデザインパネルを製作します。
図面から加工機へ。建築と製造を、直結させる。
高度な加工設備を導入するだけでは、
新しい建築は生まれません。
重要なのは、建築設計で描かれた意匠を、
製作可能な部材へ落とし込み、
施工可能な納まりとして現場へ届けることです。
相川スリーエフは、CAD・CAMと加工設備の連携を進め、
図面作成、製作図、加工データ、部材製造、現場施工までの流れを
一つにつなげていきます。
- 既存建物の
調査・診断 - 用途・収益性・
デザインの企画 - 設計・製作図・
加工データ作成 - 窓・幕板・パネルの
自社製造 - 施工・リーシング・
再稼働
当社は、住宅建材、サッシ・カーテンウォール、
総合建設、不動産という複数の機能を持っています。
これまで個別に培ってきた力を一棟の再生プロジェクトに集約し、
必要に応じて構造設計、設備設計、耐震診断などの専門家とも連携する。
それによって、単なる外装改修ではなく、
建物の再稼働までを見据えた事業をつくります。
量産品を取り付けるだけでは、街の個性は生まれない。
既存ビルは、一棟ごとに条件が異なります。
躯体の状態、階高、窓の位置、敷地条件、周辺の街並み、
想定するテナント、必要な断熱性能、耐震性能、事業予算。
同じ答えをそのまま当てはめることはできません。
だからこそ、小ロット・多品種の加工に対応できる製造設備と、
建築全体を理解する設計・施工能力が必要になります。
一棟ごとに異なる建物を調査し、
一棟ごとに異なる外皮を考え、
一棟ごとに必要な部材をつくる。
柏テクニカルセンターは、
既製品を保管するだけの場所ではありません。
建築家やデザイナーの発想を、
実際の金属とガラスで建築へ変換する場所を目指します。
古い建物だからできない、ではなく。
古い建物だからこそ、
まだ引き出されていない価値がある。
大規模再開発とは違う、もう一つの都市再生。
東京の都市再生は、大手デベロッパーによる大規模開発だけで
成り立っているわけではありません。
100坪、200坪、300坪の敷地。
5階、6階、8階建ての中小規模ビル。
そうした一棟一棟も、街の景観と経済を構成しています。
大手企業の投資対象から外れる規模であっても、
立地が良く、躯体が活用でき、
新しい用途を与えることで再び収益を生み出せる建物があります。
私たちは、そうした建物を見つけ、
建築、製造、不動産、リーシングを組み合わせることで、
「取り壊されるまで待つ建物」から
「もう一度選ばれる建物」へ変えていきたいと考えています。
もちろん、すべての築古ビルを残すことが目的ではありません。
構造安全性、耐震性、法適合性、改修費、将来の収益性を確認し、
建て替えと再生のどちらが合理的かを判断する必要があります。
その上で、残す価値のある躯体には、
現代の性能と新しいデザインを与える。
相川スリーエフは、柏テクニカルセンターの新しい製造力を核として、
既存ビル再生という新たな事業領域へ踏み出します。
ファサードをつくる。
デザインパネルをつくる。
そして、建物の次の50年をつくる。
新築に負けない性能と、新築にはない時間の価値。
その二つを一つの建築にすることが、
私たちの新しい挑戦です。









