マンションは異常値──東京は「構造から選ぶ」戸建て時代へ。 RCか、木造か、それとも混構造か。

(2025年10月26日)

TOKYO URBAN HOUSE / STRUCTURE-FIRST THINKING

マンションは異常値──東京は「構造から選ぶ」戸建て時代へ。
RCか、木造か、それとも混構造か。

いま東京都心では、タワーマンションの価格と管理コストが限界値に達しつつあります。そこで静かに主役になっているのが「構造で選ぶ戸建て」。木造・鉄骨・RC・混構造──どの“骨格”で建てるかが、これからの資産価値と安心を決める時代に入りました。これはデザイン選びの話ではありません。家族を守り、未来に残る拠点を、合理的に選ぶという話です。

監修: 相川スリーエフ / ワンズライフホーム
エリア: 東京都心・城南・城西・世田谷・目黒・渋谷・品川 他
テーマ: RC住宅 / 混構造 / 都心戸建ての資産性

 

1. 東京の住宅市場はいま「マンション異常値」

まず現実から話しましょう。東京都心の新築マンション価格は、もはや一般感覚から外れています。23区の新築タワーマンションの平均価格は1億7,000万円台まで跳ね上がり、過去5年で約1.6倍。専有面積は平均66㎡台まで縮み、「高いのに狭い」という逆転現象が常識化しています。これは「ちょっと高い」ではなく、すでに“異常値”です。タワマン=ゆとりというイメージは過去のものになりつつあります。※以上は各種公開調査・報道による傾向に基づく整理です(2025年10月時点)。

そして、タワマンの購入後に続く現実があります。管理費・修繕積立金は年々上昇。駐車場は抽選。特にハイルーフ車OKの区画は何年も順番待ちという事例も珍しくありません。子どもが成長し、荷物も増え、車も必要になる30代〜40代にとって、タワマンは「縛られる暮らし」になってきたのです。

結果として今起きているのは、「タワマン卒業」という動きです。いったん都心タワマンで資産を築いた層──いわゆる“含み益”を持つ人たち──が、その利益を使って戸建てに移るという流れが加速しています。これは趣味の話ではない。合理性の話です。

タワマンで築いた含み益を売却益としてキャッシュ化し、次の住まいを現実的なローン比率で取得する。これが今の都心ハイエンド層の標準ルートになりつつあります。

2. “卒タワマン”が向かう先は2億円〜の戸建て

今、東京都内で目立ってきたのが「2億円〜3億円クラスの戸建住宅の需要が急増している」という現象です。これはここ数年のこと。当社への建築依頼も10件に2件は2億円以上の予算のクライアントとなりました。土地からお探しの場合は、5億を超えてきます。お話を伺うと、マンションの含み益や、株の含み益がある方、経営者やメディア関係者、医師や弁護士の先生方も多いです。

なぜ、当社にお声がけいただけたか、については、「多様な構造を扱っているから」「建築専門誌/新建築でよく見かけるから」「本物の在来RC造が得意だから」が多いです。ほかに、建築家の先生方からオファーをいただくケースも非常に多いです。

億を超えるクライアントが増えたと言えど、建築費4,000万円〜7,000万円のクライアントが最も多いのが現状です。それでも、皆さま富裕層です。建築費だけで4,000万円を超えるのですから。

防犯性を高めた高級RC住宅の外観。堅牢な外壁とセキュリティ動線。
高級感と防犯性を両立した都市型邸宅イメージ。RC(鉄筋コンクリート)を1階〜地下に用いることで、車両やアプローチ動線を安全にコントロールできる。

「タワマンよりむしろ割安」という声も出ています。理由はシンプルです。タワマンで80㎡を超える部屋を買おうとすると一気に2億円クラスになり、しかも管理費・駐車場・修繕積立金が毎月重くのしかかる。一方で戸建ては、土地も建物も自分のもの。維持コストも自分でコントロールできる。つまり、購入後の総支出(TCO=総所有コスト)が読みやすい。

3. 戸建ては合理的な「資産マネジメント」になった

戸建ての本質は「土地をまるごと持てる」ことです。マンションは区分所有なので、土地の持分は全員で分割されます。価値が希釈される。大規模修繕や管理方針も、他の区分所有者と合意しない限り動かせません。自分の家なのに、自分の裁量で動かせない領域が多い。

戸建ては違います。土地はあなたのものです。建物が30年、40年、50年経ったら、建て替えてRCにすることも、賃貸併用住宅にすることも、子ども世帯用に二世帯住宅にすることもできます。将来にわたって「資産の姿を作り替えられる」自由を持っている。これは資産性の根源です。

戸建てが“投資的”に合理的になっている理由

・土地そのものを単独所有できる(将来の使い方を自分で決められる)

・月々の管理費・修繕積立金を他人に依存しない

・駐車場が敷地内に確保できれば月数万円の固定コストがゼロになる

・静音性やプライバシーを自分の設計思想で最適化できる

つまり、戸建ては「贅沢」から「戦略」へと意味が変わりました。家は“住むもの”であると同時に“管理できる拠点資産”でもある。これが、今の東京で起きている価値観の転換です。

4. デザインより先に決めるべきは「構造」だ

日本の家づくりは長いあいだ「間取り」や「デザインコンセプト」から入るのが普通でした。しかし、それはもう時代遅れです。これからはまず、どの構造で建てるかを決める必要があります。なぜなら構造は、安全性・静けさ・将来の拡張性・資産価値をすべて左右する“骨格”だからです。

たとえば大手ハウスメーカーの多くは、基本的に木造か軽量鉄骨です。RC(鉄筋コンクリート)を自社完結で提案できる会社は少なく、提案できたとしてもプレキャスト(工場でつくったコンクリート板=PC)を現場で組み立てる方式が中心です。もちろんPCも有効な手段ですが、敷地のクセや高さ方向の自由度、地下やビルトインガレージの作り方は、現場打ちRCの自由度には届かないケースもあります。

だからこそ、あなたの敷地・あなたの暮らし方・あなたの将来設計にあわせて、「木造・鉄骨・RC・混構造」を横断して考えられるパートナーが重要になります。相川スリーエフ/ワンズライフホームは、まさにそこをコアにしている会社です。

5. 木造・鉄骨・RC・混構造のちがいと選び方

構造 特徴 坪単価
目安(万円)
おすすめ敷地・用途
W [木造]コスト効率が良い。軽いので狭小地や変形地でも対応しやすい。将来の間取り変更もしやすい。 100〜200 整形地・狭小地・旗竿地など、限られた土地を上手に活かしたい場合
S [鉄骨造]耐震性・強度とコストのバランス型。柱スパンを飛ばしやすく、駐車スペースを広く取りたい都心敷地にも相性が良い。 140〜250 商業地域や準工業地域、準耐火が要求されるケース、ビルトイン駐車場を2台以上確保したい場合
RC [RC造]圧倒的な耐久性・遮音性・防火性。揺れにくく、マンション出身の方が一番安心しやすい構造。地下や半地下ガレージ、大開口リビングなど自由度が高い。 200〜500 高低差のある土地・傾斜地・第一種低層住居専用地域の高級住宅地・静けさと防犯性を最優先したい場合
RC+W [混構造]1階〜地下部分はRCで堅牢なガレージ兼セキュリティベース、2階3階は木造で軽やかな居住スペースというハイブリッド。コストと防犯性・快適性の両立。 150〜300 傾斜地・変形地・車2〜3台+プライベートリビング+屋上テラスなど、都市型ハイエンド邸宅に最適

特に注目したいのが「混構造」。1階をRCで固めてビルトインガレージ兼セキュリティ層にし、その上に木造やツーバイフォーで明るく柔らかい居住空間を積み上げるという考え方です。コストはフルRCより抑えながらも、圧倒的な安心感を手に入れられる。

マンション暮らしに慣れた方が戸建てに移ると「木造の揺れ」を敏感に感じることがあります。だからこそ、1階をRCにして“土台からの安心感”を明確にする。この発想は合理的で、とても人気があります。

プライバシーを守る中庭と屋外プールを備えたRC×木造のハイブリッド邸宅のイメージ
プライバシーを確保した中庭とプールという“内向きの贅沢”。周囲からの視線を遮りながら、家族だけのリゾート空間を日常化できる。

6. 傾斜地 × RCガレージという“都市の特権”

一見ネガティブに聞こえる「傾斜地」「高低差のある土地」。実は都内ではここが狙い目です。平坦で四角い土地は誰でも欲しい。だから高い。逆に、段差のある土地・崖地・旗竿敷地・三角形の敷地は相対的に割安です。

こうした“難しい土地”こそ、RCの出番です。半地下〜1階をRC構造にしてビルトインガレージ+防犯のためのコントロールゾーンにする。そこから上を軽い木造や鉄骨で伸ばす。すると、道路からは閉じて安全、上階からは開いて眺望という、都市ならではのラグジュアリーが成立します。

これが「土地条件から構造を選ぶ」という考え方です。逆ではありません。土地を買ったあとに“なんとか建てる”のではなく、土地のポテンシャルを引き出す構造を最初から決めていく。これが、これからの東京で後悔しない家づくりの順番です。

7. 素材・窓・静けさという“体感性能”の差

高級戸建て市場が本当に洗練してきたのは「見える贅沢」ではなく「聞こえない・揺れない・見られない」という、生活の質そのもののアップグレードです。RC構造は重量があり揺れにくく、外からの騒音・振動を抑えやすい。さらにハイエンドサッシ(たとえば高断熱・高気密で知られる海外系アルミサッシシステムなど)を組み合わせることで、静けさは“ホテル品質”まで持っていけます。

大開口サッシと高断熱窓を採用したRC住宅のリビング空間
大開口サッシを大胆に使えるのは、構造が許すからこそ。RCや高性能サッシの組み合わせは、眺望・断熱・防犯・遮音を同時に成立させる。

相川スリーエフは、窓・サッシを専門領域としてきた会社です。断熱性・遮音性・防犯性・デザイン性の高い窓は、家の価値を「毎日、肌で感じる価値」に変えてしまいます。単なる開口部ではなく、生活そのものを決定づける“性能パーツ”。これが、私たちが窓を最重要パーツとして扱う理由です。

8. RC住宅は「住まい」+「防災シェルター」

RC(鉄筋コンクリート)住宅は高い。これは事実です。ですが、RCは「都市で生きるための強い拠点」という側面がある。火災に強い。遮音に優れる。外部からの侵入経路を限定しやすい。さらに、構造的に揺れにくいので、マンション暮らしから移る方が感じる“不安な揺れ”が極端に少ない。

そして、RCは長寿命です。長く使える=住み継げる=売れる/貸せる。そこには、資産という言葉では収まらない、「身を守る基地」としての意味も重なっていきます。特に都市部では、RCの邸宅が“家族のセーフルーム”や“災害時の拠点”という価値を帯び始めています。

私たち相川スリーエフは、自社ブランド「R-LABEL」を通じて、RC住宅を「頑丈で美しい都市のシェルター」として提案しています。これは贅沢ではありません。都市生活の防御力を高める選択肢です。

9. これからは「構造から選ぶ」が当たり前になる

省エネ基準や耐震基準は今後さらに厳しくなります。つまり「なんとなく建てた家」は、これからは売りにくくなる。逆に、構造の意図がはっきりしている住宅──RCで静けさと耐久性を確保した家、混構造で防犯性とコストバランスを両立した家、木造で将来リノベしやすい家──は説明しやすいし、評価されやすい。

もはや「なんとなく有名なハウスメーカーに頼んで、標準プランから壁紙を選ぶ」という時代ではありません。あなたの土地とあなたの家族のために、構造をどれにするのか決める。そこから逆算して間取り・素材・窓・外構を仕上げる。この順番が、これからの“正しいラグジュアリー”です。

10. 相川スリーエフ / ワンズライフホームの提案

私たち相川スリーエフ(ワンズライフホーム含む)は、東京都世田谷区・目黒区を中心に、城南/城西エリアから首都圏全域まで、木造・鉄骨・RC・混構造すべてに対応できる数少ない設計施工チームです。単に「自由設計できます」というレベルではありません。構造そのものから選べる会社です。

・在来木造 / ツーバイフォー:コスト効率と将来の間取り変更性
・鉄骨:耐震・耐火・駐車スペース・都市型多用途
・RC(R-LABEL):耐久・静けさ・防犯・資産性・大開口リビング
・混構造:1階RC+上階木造など、ビルトインガレージ+プライベートリビングの最適解

さらに私たちは、施工だけでなく“土地の目利き”と“申請・補助金・税務・将来の資産戦略”まで寄り添います。特に傾斜地・旗竿地・変形地など、一般には“難しい土地”とされる場所こそ、私たちの腕の見せどころです。

最初の一歩は「どの構造で建てるか」を決めることから。

あなたの土地・候補地・希望エリアをもとに、RC・混構造・木造のどれが合理的かを、最初の無料相談で具体的にお伝えします。
「タワマンを卒業して戸建てへ」という決断を、感覚ではなくロジックで。

相川スリーエフ / ワンズライフホーム
・RC住宅ブランド「R-LABEL」
・東京都内・城南/城西エリアの都市型注文住宅・建て売りの企画/施工
・窓・サッシ・断熱改修(LIXIL正規ルート等)まで一気通貫で対応可能な少数精鋭チーム

 

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